2009年04月23日

アカデミーを見直した『スラムドッグ$ミリオネア』

そもそもアカデミー賞というものに懐疑的な私なのですが、今回この『スラムドッグ$ミリオネア』に8部門受賞させたのは賞賛に値する(まあ「主題歌賞」ったって、どの曲が主題歌なんだか分からんのだが)。

この映画を観た事によって自分の好みの展開、というか映画の構成が分かりかけてきた気がする。
まず、前提条件としてお話が面白いのは当然。ここがダメだったら編集やら撮影が頑張ってもどうしようもないんだから。
それを踏まえた上で、以下の様な要素が入っていると自分の好みに近い。
  • 子供同士の淡い恋心
  • 時系列をバラバラにする場合、最終的に一点に収束していく展開が良い。そこで伏線をすべて回収する。例としては『12モンキーズ』、例外としては『パルプ・フィクション』を挙げる
  • 過去のシーンと現在のシーンは区別しやすくなっているべき
  • 構成・編集が下手ではいけない。例えば、現在のシーンで盛り上がっている時に、緊張の糸を切りながら過去のシーンに行くべきではない。この構成は相当に難しいと思うが、ザッピングムービーを作る以上、これは必須だと思う
  • 因果応報。善人が必ずしもハッピーエンドを迎えるとは限らないが、悪人は相応の被害を被るべき
  • 音楽がカッコいい映画はそれだけで観る価値がある
  • ストーリーに音楽が関わっていればなお良し
などなど。

『スラムドッグ$ミリオネア』はこのワガママな要求に全部答えてくれている。一緒に行った友人は「まあ普通」程度の感想だったので、これは自分の好みに合っていただけなのかもしれないが。

特に音楽の好みはなー。私はアジア系ラテン系民族音楽のグルーヴ感溢れる感じ(主に打楽器系)が結構好きなので、この映画はオープニングから盛り上がることが出来たのだが。
伏線っぽいところを全部丁寧に回収している所にも好感が持てる。投げっ放さないのは大事です。
ダニー・ボイル監督の映画は過去に『トレインスポッティング』『28日後…』を観ているのだけど、どれも途中は随分と悲惨なシーンが多い割には、ラストシーンが異様にさわやかなんだよね。この監督の持ち味なのか? 特にこの映画のラストは素晴らしい。あと、インドを舞台にした映画って「みんなで踊るシーンを入れなければならない」とかいう縛りでもあるのだろうか。まあ、どうでもいいんですがw

翻訳でちょっと気になったのは、「チャイ」を全部「お茶」と訳している事。主人公はコールセンターのアシスタントで、みんなにチャイを配って歩くのが主な仕事。私の友人で学生時代にバイトで金を溜めて、卒業旅行で世界一周をした人がいるんだけども、インドに行った時にチャイ売りのあまりの身分の低さに驚いたのだそうだ。もっとも、この場合はコールセンター勤務とかではなく、そこらへんの道端で素焼きの器にチャイを入れて売っているフリーランスの人なんだけど、コジキのちょっと上、程度の位置なのだと。
だから劇中「ミリオネア」の司会者がやたら「お茶汲み」を連呼するのは、割と差別的なジョークなんじゃないかと思うのですよね。いやまあ、それだけなんだけど。翻訳で毒気をちょっと薄められたのが気になってしまったので。

これこそ本当にどうでもいいんだけど、めちゃめちゃチャイが好きなんですよ、私。スタバでチャイ・ラテとか売ってるが、あんなもん俺に言わせりゃ出来の悪いミルクティーにも劣るシロモノでして。まず、お湯にティーバッグを入れて、それからミルクを入れるというこの作り方が気に入らない。そもそもチャイにお湯なんかいらんのですよ。
紅茶の茶葉とシナモン、カルダモン、クローブ、生姜の刻んだものなどを、牛乳と共にナベにぶちこみ、これでもか!という程の砂糖を投入し、煮詰めて煮詰めて煮詰めて煮詰めます。このスパイシーかつ激甘の液体がチャイ。これですよ。
なお、あまり高い茶葉だと美味しいチャイは出来ないんだそうです。上等の茶葉をイギリス人にブン取られて安い茶葉しか無くなってしまった時に、その茶葉を美味しく頂くための生活の知恵だったのですね。茶葉を買う際には「ブロークン」とか書いてある安いのを買うと良いと思います。
盛大に脱線しました。まあいいか。

えー、『スラムドッグ$ミリオネア』面白いのでみんな観ましょう。全然説得力ねえな。


タグ:名作
posted by ImpactDrill at 09/04/23 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映像
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