2009年04月15日

金返せ!『大日本人』

腹立ったからネタバレ放題でどんどん行くよー! 見るべき人は見ているだろうし、見てない人は今後も見ないだろうしなー!!

読み方は「だいにっぽんじん」だそうです。どうでもいいですね。
とりあえず松本のファンとしては見ておかなければ、という義務感でついレンタル。まあ、ファンとは言ってもそもそもウチにはテレビ無いし、「『松本』の『遺書』」読んで割と共感と覚えたってのと弟がビデオで集めてたダウンタウンのトーク集を見た程度なんですが。
あと「シネマ坊主」もちょっとだけ読んだ。松本と私の映画の趣味は絶望的なまでに違う。例外は『バッファロー'66』が好きって事くらいですかね。私はクリスティーナ・リッチが好きなだけじゃねーかという気もしますが。
まあ、映画の趣味が合わないんだから、そいつが作った映画を気に入る訳が無いよなあ、とある程度覚悟の上で視聴に望んだんですが……

1,800円払って見ていたら自分の審美眼の無さで憤死したかも、というクオリティ(←褒めてません
今回はツタヤで半額キャンペーンやってて\157(税込)で見たので死に追いやられずに済みましたが、公開中にあやうく見に行こうとしてたんだよ俺。下手したらスクリーンにコーラをブン投げるのも忘れて、シートに座ったまま真っ白な灰になっていたかもしれぬ。
ゴジラvsメカゴジラの原田大二郎風に言えば、「もう何を言っても無駄だ! この映画を褒める事は出来ん!!」てー感じですかね。ああもう、自分の言葉で解説するのも馬鹿らしい。


ゲームに例えよう。「たけしの挑戦状」。これ以外の何物でもない。いや、ただの皮肉では無く。「たけしの挑戦状」は、PSやセガサターンの時代に出していたら、それなりに面白いゲームにはなって、ゲーム好きの間でちょっと話題になる程度のソフトにはなっただろうけど、ファミコン版の様に伝説のクソゲーには成り得なかった。
『大日本人』も、草稿の段階まで戻って作り直したとしよう。まず、巨大化ヒーロー物。主人公は巨大化して敵を倒すのが仕事。しかしそのヒーローは雇われ月給制。血縁が大事で世襲制。じーちゃんの時代にはボロ儲けの商売だったが、現在はシオシオ。スポンサーが付かないとやっていけない。自衛隊などでも敵を倒せるのではないかという世論もあるが、巨大化して敵を倒す事は神事でもあり、六代目の主人公が勝手に止めるわけにはいかない。
どうですか? 特撮映画/ドラマの衰退と重なる部分もあって、メタ特撮ドラマとして結構面白い物が出来そうな気がするんですが。ゼブラーマン』と被る要素が多すぎるのは問題かもしれないが。

ところが、この映画はそんなシンプルな作りになっていない。
何の説明も無く、バスに乗っている主人公にカメラを向けインタビューしているシーンから始まり、下らない質問やら良く分からない質問(後に氷解する)を繰り返す。インタビューは主人公の周囲の人々にも行われる。この辺りはダルいながらも、この主人公って何してる奴なんだろう? と思わせるのには成功している。 で、溜めて溜めて溜めたところで、いきなり巨大化した主人公が登場。ここまでは良い導入部のように思える。敵との戦闘シーンがショボいとかはまあ、どうでもいいんですよ。ラストのディザスターに比べれば

敵と戦って逃げ出したり、私生活と仕事で葛藤があったり、マネージャーとケンカしたりで追い詰められていく主人公。「いつまでも撮ってんなやー!」とインタビュアーに毒づいたりもする。
えーと、この辺のくだりにも色々と言いたい事はあるんだが、それやってるともう一度映画を見て確認という悪夢のような作業をする羽目になるので割愛。

問題のラスト。一度逃げ出した敵と無理矢理戦わされる主人公。その時!巨大化したじーちゃんが助けに入る!! で、敵の一撃でKO。なお、止めを刺したのはずっこけた主人公。どうしたもんだか。
ここで唐突に注意のマークが画面全体を覆い、「以下、実写になります」とかなんとか。
それ以降は、一応怪獣映画っぽく見せていた部分(カメラを三倍回しで撮るとか、CG全部とか)を全部取っ払い、いかにもミニチュアなセット、ただのぬいぐるみと化した怪獣、映画クオリティからコントクオリティに質を下げた衣装を着ている主人公、どこから出てきたのか良く分からないウルトラ兄弟風の家族でお送りされます。
似非ウルトラ兄弟がサクサクと倒し、それをビルの影から覗き見ている主人公。力を合わせてビーム撃つからお前も来いとか言われて、「俺ビーム撃てないんですけど……」とか言いながら出てくる主人公。「俺、飛べないんすけど……あ!靴落とした!」とか言いながら、似非ウルトラ兄弟に両脇を抱えられて何処かへと飛び去っていく家族&主人公。おしまい。いや、「おしまい」とか言われても。
実写になり似非ウルトラ兄弟が出現してからというもの、頭の中は真っ白である。「金返せ!」と叫ぶ気力すら失わせるポカーン感。何時の間にかスタッフロール(ロールしてないけど)の背景で繰り広げられる、似非ウルトラ兄弟with主人公によるツッコミ無しのトークコント。
 ぼくはなにをおもえばいいんだろう、ぼくはなんていえばいいんだろう
劇場版エヴァンゲリオン以来の衝撃、そしてたっぷり10分は経ってから沸々と湧いてくる碇、もとい、怒り。

「はっきり言ってやるぞ! お前の映画は、失敗だーッ!!」

……とかなんとか言ったところで、その映画に触発されてこんな長文書いてる時点で俺の負けなんですが。
この終盤のブチ壊しを松本は意図的にやっている訳ですよ。つまり、それなりにまとまった映画で少しの評価を得るよりも、後半に行くに従ってアレゲになる映画を撮って、「たけしの挑戦状」の如き伝説になりかったのではないかと。
前半、タイトル前の撮り方(原付で移動するシーンの背景の罵詈雑言ビラとか)は上手いんですよ。グダグダになっていく過程は意図的にやったとしか思えない。
とはいえ、総じてつまんなかったのもまた事実でして。松本の次の作品が「たけしの戦国風雲児」程度で終わるのか、「その男、凶暴につき」まで行くのか、はたまた次の作品なんぞ無いのか、どうなるやら。


タグ:B級
posted by ImpactDrill at 09/04/15 08:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映像
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