とりあえずネタバレ回避用に一画面ほど空けます
「走るゾンビは好きじゃない」などと仰りつつも、前作『ランド・オブ・ザ・デッド』で割とリメイク版『ドーン・オブ・ザ・デッド』をおパクり遊ばしてたお茶目なロメロ御大ですが、今回も結構やってます。
今回、御大の
ゴアゴアっぷりは『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/死霊創世紀』を彷彿とさせ……って、また自分の作品のリメイクから頂戴してますね御大。自分で作った石仮面を人間に被せて、カロリーたっぷりの吸血鬼にしてから食料にするどこぞの究極生物を思い出します。あ、分からない人は『ジョジョの奇妙な冒険1 2 3 4 5 6 7 (文庫版)』を読んで下さい。というか、ジョジョはマンガ文化における必須図書ですので。まあ、第3部までで充分ですが。
話を吸血鬼からゾンビに戻します。
今年だと『クローバーフィールド/HAKAISHA』も手持ちカメラによる撮影のみの映画という事で話題になっていましたが、あくまで「パニックに巻き込まれている感」を出そうとした『クローバー〜』や『ブレア〜』と比べ『ダイヤリー〜』は何がスゴいのか?
『ダイヤリー〜』では、映画撮影用の手持ちカメラや監視カメラ、インターネット上(YouTube)にアップされていた映像、テレビで流れた映像…等々、主人公達一行がゾンビに襲われ、逃亡する過程で手に入れた映像を主人公達が編集して1本の映画に仕上げ、生き残った人々に送る、という映画内映画、それも最初から最後までまるっとそれだけ、というややこしい構成になっています。私の友人はこのギミック(手持ちカメラ)が大変苦手であり、上映中ずっとグッタリとしていました。もっとも、家庭用ハンディカメラで録画しながら走り回ったり吹っ飛ばされたりする『クローバー〜』に比べれば随分マシだった様ですが。『ダイヤリー〜』は手持ちとはいえ、映画撮影用のカメラや、監視用の定点カメラですからね。しかし、今度からこの手の映画は1人で観に行かねばならんなあ。
ちなみに映画内映画のタイトルは『DEAD OF THE DEAD』、セルフパロディですか、御大w
で、『ダイヤリー・オブ・ザ・デッド』というタイトルは『DEAD OF THE DEAD』が終了してから出てきて、直ちにスタッフロールと相成ります。
『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』とか、タイトルが最後まで出てこない作品は何本か知ってますが、大体その作品の監督は捻くれてますね(ぉ
そういう、捻くれた作品が好きな私もまた捻くれてるんでしょうが。
スタッフロールの最後の方のスペシャル・サンクスにトム・サヴィーニとタランティーノの名を発見。
サヴィーニ先生の仕事はサンクスじゃなくて特殊メイクだろ! …とか思ったんですが、トム・サヴィーニは特殊メイクの仕事を'94年を最後にやってないんですね。そーいえば前作『ランド〜』でも同じような事を思った気が。でも、ラストシーンのネットからダウンロードした(という設定の)「遊びでゾンビを射殺」映像は死霊創世紀(監督:トム・サヴィーニ)からのイタダキだよね。
タランティーノは何やったんですかね。勝手に予想してみると、
「ロメロ先生、今日はちょいと言わせて貰いますがね、あたしゃデニス・ホッパー帝国にタチムカうゾンビ見たくて先生の映画見てる訳じゃねぇんすよ!」
「そうかねえ、今日びは派手な映画にした方が流行ると思ったんだけどね。ほらあの、リメイク撮ったザック……ザック・スターキーのもそうだったじゃないか」
「
「おや? ドラマーはキース・ムーンじゃないのかい?」
「とっくに死んでますよ!」
「生き返んないのかね?」
「先生の映画じゃねえんすから! とにかくね、あたしゃ最初の『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』くらいの派手過ぎないのがオツだと思ってんすよ」
「白黒で撮ればいいのかね?」
「いや、先生そこじゃなくてね……」
「分かっとる分かっとる。しかし今時、一軒屋に立てこもってゾンビの頭をスパナで一撃じゃ地味過ぎないかい?」
「そこはほら、立てこもりじゃ無くてキャンピングカーかなんかで移動するロードムービー風にしましてね。武器に関してはこのガンマニアのあっしが手取り足取り…ヒヒヒ…」
「キキキ… コココ…」
「あたしら鷲津みたいですね……あ、ところで先生、あっしが『パルプ・フィクション』でやったタイム・ザッピングとか使いませんか?」
勝手過ぎるかな……
むしろこれだけ映画本編について語ってないのもどうかと思いますが。
まあ、派手なのが見たい人は、10年後か15年後くらいにこの映画もリメイクされると思うので、それを待とう。え? 感想これだけ?
ロメロ御大はすでに次回作に取り掛かってるとの事で、いよいよもって御大はゾンビと心中する気が濃厚だと思いました。
とりあえず今のところの5作品の番付表。
ゾンビ > ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド > ダイヤリー・オブ・ザ・デッド >=ランド・オブ・ザ・デッド >>>(超えられない壁)>>> 死霊のえじき
ファーストシーンだけだったら『死霊のえじき』もなかなかイイ線行ってるんですけどね。いかんせん途中で資金調達に失敗というのは痛過ぎる。挙句の果てにこの邦題である。当時は多過ぎるんだよ、死霊のナントカ、悪魔のカントカが。その中に良作も駄作もあるんだがなあ。西部劇の全盛期には、ソレっぽいタイトル(『○○のガンマン』『○○の決闘』とか)を大量に考えてリストにして、新しい映画が来る度に隅から順番にタイトルを付けていたという話が有りますが、まあ、スプラッター映画にも同じような時代があった訳だ。
リメイク版『デイ・オブ・ザ・デッド』は見てないけど、かなり不評の嵐のようで。そりゃ、監督が『13日の金曜日』シリーズ2と3(←つまらない)のスティーヴ・マイナーの上に、本国で劇場公開されずにビデオスルーされてるんじゃ期待しろってのが無理な話だ。
ロメロゾンビのリメイクは『ナイト〜』『ドーン〜』と、本家とは違う面白さを持った物が続いていただけに残念ですね。まあ、レンタル開始して新作料金じゃなくなったら見るつもりだけどね。
→前にも同じような事書いてますねわたくし。脳味噌の老朽化が著しいですね。劇場公開無しでビデオスルーというのは初めて知りましたが。
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